■皆さんからの“声”を紹介します!
・・・皆さんからの“声”の紹介は、発信くださった方の許可がある場合を除いては 内容を要約して、文字数調整の都合と ご意見を下さったことで御迷惑をかけぬように、充分に配慮して掲載させていただきます。
(お気づきの点があれば、ご連絡ください。)
[尚絅短期大学、教育実習生Mさんの実習記録(2004,10,17)
「反省及び感想」からの紹介

 10月12日(火)から、尚絅短期大学幼児教育科の3名の学生が教育実習中です。その中の一人、Mさんの教育実習一週間目〜10月17日肥後第24回栗の実運動会日の実習記録から。
[肥後菊幼稚園の先生たちの横顔](2004. 9.21)の紹介
 (先日、別枠でお知らせ致しましたが)先生たちのナマの様子が少しでも伝えられたら…という願いから 今後ときどき、この欄を使って、先生たちの横顔を お便りしますね。

 初回ですから日常の小さなワンカットでスタート!というのも考えましたが、夏休み中に仕上げて出すことになっていた、先生たちの課題レポートが出揃いましたので、これを皆さんに披露する事に致しました。
 どうぞ、肥後菊幼稚園の先生たちの横顔を垣間見てくださいね。


 ・・・ 自(?)他、共に認める!“よい”レポートから2点です。先生達は
    当然、他の職務も併行しながらの夏休み自己充実課題の消化です。
    煩雑な日常の中で、自己充実時間を捻出するのも大きな課題でした。
     〜レポート課題だった「ひごぎく」第93号(1994年夏・
    7月16日号)から第96号(同年夏休み・8月22日号まで)には、
    子ども達と生活する傍ら その頃行き当たった文芸作品(映画や童話、
    小説ナド)のタイトル等が多くありました。   その為もあり、
    皆さんにご紹介する以下の2点のレポートにも(更に、先生たちが
    自己課題にして加えた小説・寓話などのタイトルを含む)、多数の
    作品名等が挙げられています。
     「(この物語りは)どんな、おはなしなのかしら?」と思い描いて、
    レポートを読んでいただくだけでも・・・
     皆さんへは、秋の(親子)読書等の参考・肥後菊幼稚園や、
    子どもの幼児文化周辺散策の手がかりにも
    していただけるかも知れません。

 [参考]
 10年前の「ひごぎく」第93〜96号に出てくる作品等のタイトルと人名のみを紹介します。
  …「星めぐりの歌」「雨ニモ負ケズ」 宮沢賢治さん 「雪渡り」
    向井(千秋)さん 井上陽水 「さがしものはなんですか」
   「双子の星」「よだかの星」「烏の北斗七星」「星めぐりの唄」
   「平成狸合戦ぽんぽこ」 高浜 健 君 「風の又三郎」「農民芸術概論」
    千葉敦子さん 「グスコーブドリの伝記」「ペンネンネンネンネン・
   ネネムの伝記」“アニミズムが地球を救う” 岸井勇雄教授
   「水の旅人」「しりたがりやのふくろうぼうや」「ロバのシルベスター
   と…」
 先生達への夏休みのレポート課題は、「ひごぎく」の内容と共に これらを見聞きして・読み、感じたこと・考える(考えたことを伝え合う)…、というものでした。(「ひごぎく」は、肥後菊幼稚園の子育て情報・育児や幼児期の周辺話題を取り上げた不定期・随時発行の通信です。「ひごぎく」第1号は、開園から五年経った1984年12月 1日に発行し、一時期休止。前年、ホームページ開設を契機に、再度時々発行するようになりました。今後徐々に、ネット上のページでも更新していくつもりです。)

[夏休みレポート課題](2004. 8.31提出 H・S教諭)

      ひごぎく第93号〜第96号中のいろいろを
             読んで、見て、きいて、考えたこと

 「星めぐりの歌」と私が出会ったのは、昨年の6月である。それまでは、星に関する歌でこんなきれいな歌があるとは知らなかった。園でCDを見つけ聴いてみると、とても美しいメロディーで、子どもたちも空にある星のイメージを膨らますことができる歌だなあと感じていた。歌詞は、宮沢賢治の童話集の中の「双子の星」から見つけたが、譜面はその時すぐには見つけられなかった。今年の夏、新潮文庫の本の中で譜面を見つけ、その時に「双子の星」の作品も再度読み直す機会を得た。星めぐりの歌は「平成狸合戦ぽんぽこ」の映画の中でも出てくるが、映画の中での出会いも印象的だった。狸が双子の子どもに化けて人間の前に現れる場面にこの歌が流れ、宮沢賢治の「双子の星」に出てくるチュンセ童子とポウセ童子のことが思い出された。また「平成狸合戦ぽんぽこ」の映画は今までに何度か見る中で、環境破壊によって苦しめられている動物たちの思いなど、私たち人間へ伝えたいメッセージがよく分かり共感できる。
 「ひごぎく」の中には、他にも宮沢賢治の作品が多く出ている。宮沢賢治の作品は私自身、小学校の頃に「どんぐりと山猫」を最初に読んだのをきっかけに、他の作品にも興味を持ち、「よだかの星」「銀河鉄道の夜」「カイロ団長」「注文の多い料理店」「なめとこ山の熊」「風の又三郎」等の作品を読んだことを覚えている。幼い頃の自分の中でも宮沢賢治の童話は、他の作品とはどこか違った不思議な世界に引き込まれていくような感じがしていたのだと思う。今になると以前読んだ作品でも、話の内容がはっきりと思い出さないので、今回再度読み直したり、新たな作品に出会うことによって、幼い頃とは又違った感動を覚えた。
 星に関する童話では「双子の星」「よだかの星」「烏の北斗七星」等があるが、それぞれに違った世界を楽しむことができた。よだかは実にみにくい鳥であるという外見ゆえに小鳥たちからいじめを受け、よだかという名前ゆえに鷹から理不尽な改名をせまられる。そして羽虫を食べるくらいなら、自分が飢えて死のう、星になろうと思い詰める。この作品からは、生きているものが誰も犯すことなく生活できる平和な時代を、強く願う作者の思いが伝わってくる。作者は、このような思いで菜食主義を徹底し、みんなが幸せになるためには自分はどのような犠牲をもいとわないという考えを持っていたという。
 「烏の北斗七星」は、烏の義勇艦隊と山烏との戦争をテーマにしている。艦隊長である若い大尉は、その功績を認められて少佐に昇進するが、涙を浮かべて敵の死骸を葬る。その時に言った「ああマジェル様、どうか憎むことのできない敵を殺さないでいいように早くこの世界がなりますように、そのためならば、私の体などは、何べん引き裂かれてもかまいません」という言葉に、私は強く感銘を受けた。みんなが幸せになるためには当然、命が尊重されねばならず、この世が平和でなければならない。幸せと平和とは常に両立して共存し合うという作者の思いが伝わってくる。
 宮沢賢治の詩「雨ニモ負ケズ」からも、その作者の心情が読みとれるのではないかと思う。私自身がこの詩に出会ったのは小学校2年生の時で、学校帰りや家で何度も唱えて暗記したのを覚えている。幼稚園で子どもたちが一生懸命覚えている様子を見ながら、その時の自分を思い出すことができた。だが当時の私は、この詩に込められている作者の思いをそこまで深くは読みとっていなかったように思う。今回再び読み直してみて、何か奥深い作者の思いが伝わってくるように感じた。同じ作品でも、その時の年齢や自分の置かれている状況などによって感じ方も変わってくるものだなあと感じた。
 「グスコーブドリの伝記」と「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」は、今回初めて読み、似通った部分はあるが根本的には異なっていると感じた。ブドリが私たちと同じ人間であるのに対してネネムは「ばけもの」であり、「ばけもの世界」の住人である。ネネムは世界裁判長として名声をほしいままにしたあげく、慢心して致命的な失敗を犯す。それに対し、ブドリが就いた仕事は火山局員で、火山の動きをコントロールし、天候をもコントロールして農民の暮らしを助け、ついにそのために自分を犠牲にする。ブドリが自然の脅威に向き合い、最後には自分を犠牲にして命を落としていったところに、私自身強く感銘を受けた。これらの作品からは、自然に向き合って生きていく少年の力強さ、偉大さを感じた。また、自然の力を改めて認識し、人間は自然の恩恵を受けながら自然とうまくつきあっていかなければならないと感じた。
 今回いろんな作品を読んだり見たり聞いたりし、考えることを通して、多くのことを学ぶことができた。私たちが住んでいる地球上の様々な環境は、人間が生きていく上で欠くことのできない大切なものである。この地球環境が変化してきている今、私たちにできることは、目の前にいる子ども達と共に過ごす中で、子どもたちの「今」を大切にして毎日実践していくことではないだろうか。子どもたちへは、今後も自然の中で五感を通しての様々な体験を通して、水の大切さ、自然の尊さなどを伝えていきたい。そして、水、砂、泥、植物、生き物など、地球上にあるすべてのものと共存、共生していく時代をみんなの手で作り上げていかなければならないと思う。



[夏休みレポート課題](2004. 8.31提出 R・S教諭)

      ’04夏のレポート

 私はこの夏、サマースクール等を通して、多くのものを見たり、聴いたり、触れて感じたりする事が出来ました。又、多くの本やビデオを見ることもできました。多くの人に好まれている作品に触れるなかで 以前途中で読むことをあきらめてしまった作品、読んだことがあるのに忘れていて読んでいくうちに気づいたものなどもありました。
 本の中には、登場人物などの様々な感情・思いがあります。悲しみや不安、希望や喜びなどを一つ一つの作品に触れる中で疑似体験することができます。それは、大人だけでなく子どもも同じことです。幼い子どもは、感情の区別(判別〜認識)が十分に出来ないことも多く それが表現できずにイライラしたりすることもあります。これは体験することでしか区別できるようにはなりません。しかし、いろいろな感情を実体験するには多くの人と触れ合ったり、多くの場面を通っていかなければなりません。そこで、子どもたちはテレビや映画、絵本や紙芝居などでも疑似体験をしていくことで感じたり思ったりして、感情を理解し区別していくのです。そして考えたり相手の気持ちになったりして、思いやりや勇気、やる気や希望などを持っていくのではないでしょうか。
 私は「でんでんむしのかなしみ」という作品を読みましたが、これは以前にも読んだことのある作品でした。そのときの感想として、悲しみを背負ったでんでんむしは 嘆く事をやめたので楽になり 幸せになったのだ、よかった、とずっと思っていました。しかし、今回読みなおしたことで、この作品は決してハッピーエンドではなかったようです。でんでんむしは、背中に まだいっぱいの悲しみを背負ったままで、それをこらえて生きていく覚悟をしたから嘆くことをやめたのであって、悲しみが減ったからではなかったのです。でんでんむしは減らない悲しみを背負ったまま、これからも生きていかなければならないと覚悟したことで とてもきつかったのではないかと思います。私は今まで、どうしてでんでんむしの立場で物事を考えることが出来ていなかったのかと反省しました。そして、しかしでんでんむしはその上で、希望を持って悲しみに立ち向かっていったのではないかと思うと、本当に尊敬に値すると思います。
 子どもたちは絵本やお話を見たり聴いたりする中で、感情だけではなく、実生活についても学ぶことが出来、イメージを膨らませたり、夢を持ったりもしています。童話は その文字が表す通り、子ども向けの子どものための物語りです。その代表的なものとして「イソップ物語」や「グリム童話」などがあります。これは、誰でも一度は読んだり、読んでもらったりしたことのあるものではないでしょうか。しかし、昭和初期以前、童話は「実生活に基づきあるべきもので、人間以外が主人公で、話したり考えたりするのもなど(子どもにとって)有害なものだ。」として、排除する動きもあったようです。しかし その時代の人々に認められなくても、良い作品は後々まで残り好まれて読まれていくに違いないのです。また、同様に子どもたちに読み聞かせる際に その年齢や時期に合ったものがあるはずです。それをどう選ぶかは、保育者次第ともいえます。子どもに伝えたいこと、知らせたいこと、こんなときにこんな事を…という具合に、子どもを念頭において選ぶことが出来れば 子どもが全てを理解することが出来なくても、また見たいと思ってくれると思います。きっと何かが伝わっていると思いたいです。
 願いや思いを子どもに伝えるには、本などを使い親しませることも大切なことですが、普段から保育を通して一人一人へ伝えていくことが重要です。私は、でんでんむしが「これからどう生きていくか。」と その立場で物事を考えて初めて、でんでんむしの大変さ(気持ち)を知ることが出来ました。でんでんむしのときと同じように、子ども一人一人の立場や目線に立って生活し、成長していけるようにしなければならないと感じました。
 しかし実際に一人一人の子どもの立場に立つことはとても難しいように思えます。性格も経験も異なっていて、一人一人に個性があるからです。きっと、全てのことに対して 考えていること感じていることが違っています。同じことを伝えようとしても、伝わり方にも差が出てくると思います。数ヶ月間保育を行ってきて、何にでも その時期やタイミングがあることをいたく感じました。ただ思いついたように、突然伝えようとしても 子どもたちは戸惑い、混乱するだけです。要は 準備して分かりやすく、子どもの興味関心に合わせて楽しく行うことです。やりたくなるように、知りたくなるように持ちかけていきたいです。
 子どもたちに、ファンタジーなども含めてドキドキ・ワクワクの楽しい毎日。より良いものをイメージして、思いやり・希望・喜びなど色々なものに感じ、感受性を全開にして心豊かに伸び伸びと過ごしてほしいです。



[幼稚園ホームページからのお問い合わせ](2003. 9.19)の紹介
 「…最近、子どもの話にアロアちゃんが登場します。前々から犬を飼いたがっていたので なおさらのことだと思います。…家でも犬を飼ってあげたいのですが…。」
[幼稚園から](2003. 9.20)
 まず・・・、感想のメールをいただき「ありがとうございます!」ホームページの“お知らせ”の中でも特に“■今日の遊び、子どものつぶやき…”〜子どもたちの遊びや生活の様子は、今後できるだけ毎日お伝えしていきたいと思っています。携帯電話からのアクセスは、まだ出来ませんが出来ることから努力していきますのでよろしくお願いします。
 在園児の家庭だけでなく 多くのいろいろな立場の皆さんからの声も可能な限り大切に受け止めて、良い子育て仲間作りを!と考えていますので 肥後菊幼稚園のホームページを開いてくださる皆さんへ〜今後とも、『こだま』のような声をお寄せください。皆さんの声を子どもたちの良い未来へとつなぐべく、良い日常(明日からの幼稚園生活=日々の保育)に活かしていけたらと思います。

  9・19問い合わせの件ですが、動物を飼うことは『た』がつく、“たいへん”だけど “たのしい”ことですね。
 動物達と生活している子ども達の傍らで発見するのは、子どもが相手(亀や金魚、バッタやコオロギ、チャボや犬・ヤギなど)の気持ちを分かろう、と幼児なりに努力している点。「おなかすいたの?」「この草、食べるかな。」また、食べたり排泄したり眠ったりする様子を見て「おいしそうね。」「たべないよ。」「まだ、ほしいみたいだよ。」   年齢に応じて世話も経験して、触れ合っていくうちに「かわいいね。」「こっちをみたよ。」〜動物達に愛情を感じ、やさしくしたり慈しむ気持ちが目覚めていく点。 動物達との生活は幼児にとって 単に、自然物や生き物学習、当番活動の経験の材料としてではない あたたかい心情のいしずえ=思いやりの芽生えと「共生」観の基礎を支える〜愛情に充ちた価値観の基盤が生き物たちとの暮らしの中では育つことが、とても素晴らしいです。
 共に生き・共に学ぶという点で、園では動物たちは かけがえのない仲間です。

 ただ、いかに、心を育てられるからとはいえ、衛生面をはじめ動物を飼うことは やはり、大変ですね。どうするか家族で話をし合う 良い機会になるとイイですね。
 [お問い合わせ]にあった他の事についても、その日の夕方の打ち合わせで先生たちと共有しました。何より、子どもさんの声を聞いて気持ちに寄り添い、考えて、毎日「行う」事で、想いを伝えようと心を配っていらっしゃるのは トテモ良いことだと思いました。…私達も、皆で気をつけていますね。また、お気づきでもあれば 担任をはじめ何なりとお知らせください。

 長くなりましたが、参考までに 幼稚園でアロア(この春から仲間入りした、黒いラブラドル種の雌犬)のほか 動物と子どもたちとの生活で感じていることを述べてみました。